洋裁教室

前々から自分の好みの布で、好みの洋服が作れたら素敵、と思っていましたが、自分にできるとは思えませんでした。でも8月から行くようになりました。ある日、メトロの3人掛けシートに座っていて、ふと右を見れば、紫鹿の子のブラウスをお召の年配ご婦人が。あら、手作りですか?と伺うと、そうよ!とバッグ等もお披露目に。そして、あなたの左にも、着物からお洋服をお召の方がいらっしゃるわよ、と言われ、ん?と見れば、70代と思しき上品な老婦人が、ふふふと。根ほり葉ほり、どちらで御作りになられたか伺いました。着物リフォームで前真ん中ファスナーのワンピースと、ジャケット。年を取ると、かぶりのワンピースも脱ぐ時がしんどいし、ボタンも面倒かもね、ファスナーって斬新だわ、と思いました。教えていただいたお店は、オーダーメードだけでなくて、ウエストや肩などのお直しもあり、何より2人定員のお教室が、曜日限定であったんですの。行くことにしました。おもしろいことに、先生は、どうせこの人は長続きしないだろう、と言わんばかりの感じでした。
いわゆるカルチャーセンターでの洋裁は、3か月から半年レッスン代を何万円も前払いなんですよ。ここは月謝制なのも助かるの。
さてさて、第一回目は、相手の方がお休みで、静かに平和に終了。お店の場所を教えて下さった方に、ちょっと立ってくるっと一回りしてみて、って言わんかったの?って先生が。それは地下鉄動いてるし、危ないから言えませんでした、って言ったら、あなたでも言えんかったの?って先生がにこにこ。おちょくられてますな。
第二回目行ったら、先週休みだった方が、なんと、2時間しゃべりっぱなしの老婦人でした。集中できないし、たまたま終戦記念日だったので、空襲の話など、戦争一色の話題。ひどく疲れて鍼へ行ったほど。こりごりして、別の曜日に替えていただくことにして、二度とその人には会わないだろうと、たかをくくってました。
3回目のレッスンの相手の方は、のーんびりの老婦人。2人静かにレッスンできました。可笑しいのは、先生がなぜかこの日はラジオでなく、浜崎あゆみのCDを2時間かけっぱなし。しかも、浜崎あゆみの鼻歌でミシンの糸替え。まぁ〜先生若いわ。私は彼女の歌、全然歌えません。先生終始ご機嫌でした。
4回目のレッスン。なんと!あの二度と会いたくないざますわ、と思った人が振替レッスンで来ているんです。居候なのに、あいも変わらず二時間ノンストップでしゃべりっぱなし。はぁ〜うるさいわ!見た目は70代で綺麗な人ですが、誰も訊いていないのに、80だと公開。80歳だから、何しても許される、自分が1番偉い、といわんばかりじゃありませんか。こういう老人ていや。おととい来いって言いたいところを完全無視ですわ。先生も可笑しい。この人が来る時は、真面目な番組のラジオ流していて。先生も流石にいらいらされるようで、その人に本当は言いたいところ、私に「はいは1度でよろしいっ!」と言われて私は「は〜い」。本当はその人もはいはい、って言ってるのよ。やれやれ、次回からは絶対この時間には来ないでね、と内心思ったわたくしです。選択は4クラスあるんですから。
私の作品はといえば、のろのろのろの、オレンジ色鹿の子羽織から、かぶりのブラウスです。襟元はりぼんを通し、ウエストをギャザーで絞って、共布ベルトをつけてりぼん結びにするタイプ。凝りすぎました。
ただでさえ、初心者でたらたらやってるのに、ぺらぺらさんがいると、うるさくて針が進みません。何か月でできるのかしら。せめて2か月で1作品作りたいなぁ。足踏みミシンて触ったこともなく、教室でこわごわ、踏み踏みです。先生が、「もっと早くできんの?」って背中から。私のドジぶりは、たっぷりご覧あそばしたことでしょう。歴代の生徒の中でも1番遅そう。しつけ糸でギャザーを寄せていて、こぶが小さくて中に入ってしまったので、あ〜入っちゃった、と思わず言うと、先生が、左手で、ねじねじしてからこぶを作ると大きいのができる、と見せて下さるけど、「そ〜んな手品みたいなこと、、、」ようやりませんわ、と言いかけて、点々、にしておきました。できない子ほどかわいい、と言いますが、あまりのできなさぶりに、先生もここまで見事にできなきゃしゃーない、と腹をくくられたご様子。
これが完成したら、無謀にも早速リバティプリントで、前開きボタンフレンチ袖ブラウスです。自分が作りたいデザインを絵に描いて、先生が型紙作って下さるのです。家に持って帰ってやれば早くできますが、集中できないこともあるので。しつけ糸を取るくらいなら宿題で持ち帰りますが。この先、フェリックスでカシュクール袖なしワンピース、無地タナローンネイビーで巻きスカートと残り布でネイビーパンツ、スモールスザンナで3段フリルのフレンチ袖ワンピース、と作りたいデザインが目白押し。リバティプリント柄が売れ行き好調で、欲しい柄が完売になるとがっかりなので、絶対できる、と決めて、布は買い込みました。最悪自分が作れないデザインは、どこかにオーダーします。ネットでセミオーダーのお洋服屋さんがいくつかありました。既製品も散々探しましたが、欲しいデザインと好きな柄のがないのです。あー楽しみ。